■ EUの健康表示規則が採択される
長らくその制定が待ち望まれていたEU栄養・健康表示(標榜)規則が、欧州議会の反対や欧州閣僚理事会と委員会との議論もあったが、2006年10月ようやく採択された。新しい規則は6ヶ月以内に発効することになっているが、一般健康表示リストの編集や、今後の表示提出手続きの策定などでさらに詰めの作業が必要である。
新たに制定された規則では、表示は(1)栄養表示(補遺1)、(2)一般表示を含む健康表示(第13条)、(3)疾病リスク低減に関する表示、(4)子供の発育・健康に関する表示、の4種類に分類される。また、PR資料やホームページなどその他の情報への記載も含まれている。ポイントは施行のタイミングである。栄養プロファイルデータは2009年までに取りまとめる必要があるが、完全実施までに2年間の移行期間が設けられている。すでに定着している表示については移行期間はなく、EU加盟国は2008年までに自国の一般表示リストを提出することになっている。最終的なリストは、常任委員会での加盟国による議論を経て欧州食品安全機関(EFSA)が決定するが、既存の健康表示が最終リストに確実に含まれるとは限らず、予告なしに、あるいはたとえあったとしても短期間で製品を回収しなければならなくなる企業も出てきそうだ。
イギリスでは、食品基準局(FSA)がすでに、適格表示申請のため食品企業を対象に、一般健康表示のリストを公開している。適格とされるには、表示は一般に認められている科学的知見を根拠とし、身体、精神および行動機能の成長、発育、機能性のための栄養素もしくはその他の物質、または痩身効果やウェイトコントロールにおける役割に関連したものでなければならない。表示の申請にあたっては所定の書式にのっとり、科学的根拠と使用条件を示した参照資料を添付する必要がある。申請された表示は、FSAが適格なものをイギリスのリストに加える。
■ 第7回国際大豆シンポジウム、来年3月にバンコクで開催
次回で第7回を数える国際大豆シンポジウムが、大豆が日々の食生活には欠かすことのできない食品として認知されているアジアで初めて開催される。3月7~9日の実質2日間の日程で、多種多様な分野における大豆の健康効果に関する最新の研究成果が発表される。
半日のワークショップでも、一部の地域住民の課題となっている栄養失調の取り組みに、大豆が大いに役立っているアジアのユニークな栄養プログラムにスポットが当てられる。持続可能なプログラムの促進を目指した、官民の協力関係構築についても議論される。シンポジウムに出席すると、同時開催の東南アジア大豆食品セミナーおよび見本市もあわせて見学できる。これは「科学から市場へ、アジアにおけるビジネスチャンス」というテーマのもと、3月6~8日に予定されている催しである。詳しい情報およびシンポジウムのオンライン登録については、<http://www.soyconferencebangkok2007.com>をご覧下さい。
■「機能性食品」に関するルールの見直しにむけて、FDAが公聴会を開催
米国食品医薬品局(FDA)は、機能性食品に関する公聴会を2006年12月5日ワシントンのFDA内で開催すると発表した。これは、米国の現行規制が緩やか過ぎるとの批判に対応するためのものである。現行規制によると、新しく開発した機能性食品の成分そのものが安全であるとみなされれば、企業は新製品の販売に先立ってFDAの承認を得る必要はない。現行法は妥当であるとFDAは自信を持っているが、業界側はこうした議論を始めることで、より厳格な表示と事前承認制度につながると懸念している。公聴会では、機能性食品の正式な定義付けと独自の規制が必要かどうか、また食品業界の専門家による表示の評価が行われるべきかどうかも検討されることになっている。詳細情報は<http://www.cfsan.fda.gov/~dms/cfsup148.html>をご覧下さい。
■白熱する大豆ドリンクのマーケティング活動
イギリスの調査/コンサルタント会社、オーガニックモニター社の報告書によると、大豆飲料の拡販を目指しているヨーロッパの食品メーカー各社はこぞって、販売対象を拡大したマーケティング活動に巨費を投じているという。マーケットリーダーであるAlpro社は今年、ヨーロッパで繰り広げたメディアキャンペーンに3,000万ポンド(4,400万ユーロ)をかけ、新しいターゲット層向けに製品を再発売した。また別の大手企業、So Good社でも400万ポンド(600万ユーロ)相当の大々的なキャンペーンを計画しており、デジタルメディアを含め、新旧を問わずさまざまな媒体を通じて各種大豆飲料を宣伝するという。大豆飲料市場に最近参入したユニリーバは、Adezという製品のマーケティングキャンペーンに1,200万ポンド(1,700万ユーロ)を投じている。詳細情報は<http://www.organicmonitor.com>をご覧下さい。
■FDA、脂質化合物のフォスファチジルセリンをGRAS物質として承認
FDAは食品添加物として安全だとして、大豆レシチン由来のフォスファチジルセリン(PS)であるLipogen PSの食品安全表示を承認した。他のPSの原料が細菌性酵素で生成されるのに対して、イスラエルのLipogen社のLipogen PSは非細菌性酵素プロセスに準じたものである。Lipogen PSは精神衛生面で役立つことに焦点を当てており、ミルク、ヨーグルト類、朝食用シリアル、ビスケット、調理用加工食品などをはじめとするさまざまな用途が考えられる。詳細情報は<http://www.lipogen.co.il>をご覧下さい。
■トランス脂肪酸カットに動き出したKFC
KFCは2007年4月までにフライドチキン、ポテト類、およびその他メニュー(ただし代替品がまだ得られていないビスケットは除く)に新しい大豆油を利用して、トランス脂肪酸を排除する計画を発表した。新しく開発された大豆油は、従来の品種改良法を用いたリノレン酸含量の少ない大豆を圧搾して採油するもの。この手の新しい油を使用している大手食品企業は他に数社あるが、バーガーキングでは適当な代替品はまだみつかっていないという。イギリスのマクドナルドも来年から、菜種油とひまわり油の混合油で、トランス脂肪酸は約2%という新しいクッキングオイルを段階的に導入し、トランス脂肪酸をカットすると発表している。
■大豆由来の特殊調製粉乳のタンパク質含量に、コーデックス委員会の裁定
国際食品規格委員会(コーデックス委員会、CAC)は、特殊調製粉乳のタンパク質源すべてに単一の基準換算係数を採用するようにという要請を却下した。今年始め、「栄養特殊食品部会(CCNFSDU)」は、特殊調製粉乳に関して、大豆タンパク質の換算係数を5.71から6.25に引き上げると同時に、乳タンパク質の換算係数は6.38から6.25に引き下げる決定を下した。夏になってCCNFSDUはこの決定の再考を求められ、現在は調整済み乳幼児用インスタントミルクの窒素換算係数6.25が基準となっている。ただし、特殊調製粉乳に使用される各種原料のタンパク質を算出する際は、大豆は低いほうの値5.71に、またミルクは高いほうの値6.38を基にする。この決定は、2008年に開催されるCACの次回会合で正式に採択される。
■ホットフラッシュのイソフラボン治療に関するメタアナリシス
オーストラリアの研究者グループは、更年期の日常的なホットフラッシュ(顔のほてりなど)の発生を抑制するイソフラボン療法の有効性を判定するため、研究論文の系統的な検討とメタアナリシスを実施した。検討対象の研究は、無作為化されたプラセボ対照研究で、さらにベースラインとなるホットフラッシュの回数、ホットフラッシュの変化、およびホットフラッシュの低減が示されているものが選択された。対照と比較したイソフラボン治療の効果が算定され、メタアナリシスが行われた。イソフラボンの用量、もしくはベースラインのホットフラッシュの回数と、対照と比較して達成されたホットフラッシュ低減の関係を調べるため、研究規模に加重した回帰分析を行った。イソフラボンの補給はホットフラッシュの有意な低減に関連していることが認められ、低減の割合はベースラインの1日あたりの発生回数および調査対象のイソフラボン用量に有意に関連していた。著者らは、イソフラボン補給が、わずかから適度のレベルで更年期女性の日常的なホットフラッシュの発生回数を減らし、また1日に発生する回数の多い女性ほどその恩恵は顕著になる可能性がある、と結論付けている。
LG Howes et al, Maturitas, Vol 55, Issue 3, 20 October 2006, pp203-211
<http://www.elsevier.com/wps/find/jounaldescription.cws_home/505954/description
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■CVDリスク要因に対する大豆イソフラボンとフィチン酸の効果
この研究の主たる目的は、閉経後女性の心臓血管疾患(CVD)リスク要因に対する大豆のタンパク質成分、イソフラボンとフィチン酸の効果を判定することにあった。副次的な目的として、ホモシステイン(tHcy)およびC反応性タンパク質(CRP)の濃度への要因を明らかにすることであった。6週間の二重盲検試験において、47~72歳の閉経後の女性55人に、分離大豆タンパク質(40g/日)治療4種類のうち1つを以下のように無作為に割り付けた:天然フィチン酸および天然イソフラボン(n=14)、天然フィチン酸および低イソフラボン(n=13)、低フィチン酸および天然イソフラボン(n=14)、低フィチン酸および低イソフラボン(n=14)。鉄指数、tHcy、CRP、およびBMI肥満指数についても測定した。研究者グループは、天然フィチン酸を含む大豆タンパク質はtHcy、トランスフェリン飽和度およびフェリチンを有意に低減させたのに対し、天然イソフラボンを含む大豆タンパク質については、いずれの変数にも影響は認められなかったと報告している。ベースラインでは、BMIはtHcyおよびCRPときわめて高い相関関係にあり、HDLコレステロールはCRPと相関関係があった。重回帰分析から、LDLコレステロールとBMIがtHcyの全体的な分散に有意に寄与していることが明らかになった。著者らは、フィチン酸を豊富に含む食品を摂取し、健康的な体重を維持することが、閉経後女性のアテローム性CVDのリスク要因を低減する可能性がある、と結論付けている。
LN Hanson et al, American Journal of Clinical Nutrition Vol 84, No 4 October 2006 pp774-780
<http://ajcn.org/cgi/content/abstract/84/4/774?etoc>
■大豆タンパク質と年配男女のBMD
アメリカの研究者グループは、並行比較の二重盲検対照試験を実施した。50~80歳の被験者145名を無作為に2グループに割り付け、大豆飲料を12ヶ月間毎日摂取させた。一方のグループ(+ISO)は83mgのイソフラボン(ゲニステイン45.6mg、ダイゼイン31.7mg)アグリコンユニットを摂取した。他方のグループ(-ISO)は、イソフラボン3mgを含む大豆タンパク質を摂取した。二重エネルギーX線吸収測定法を用いて、ベースラインで女性22名、男性123名、12ヶ月後に女性13名、男性98名の骨無機質密度(BMD)を、股関節部および腰椎(L1-L4)で測定した。ベースラインからの脊椎および股関節のBMD百分率の変化に対するイソフラボンの影響を調べるため、線形混合モデルが用いられた。その結果、脊椎BMDに対する摂取効果は、男性よりも女性の方が有意に大きいことが明らかになった。しかし、股関節部BMD百分率の変化はいずれのグループでも類似しており、男女差はなかった。著者らは、イソフラボンを含む大豆タンパク質には、年齢の高い女性の脊椎BMDの保全において、ある程度のメリットが認められるが、股関節BMDには認められない、と結論付けている。
KM Newton et al, Maturitas Vol 55, Issue 3, 20 October 2006 pp270-277
<http://www.elsevier.com/wps/find/jounaldescription.cws_home/505954/description
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■血清脂質に対する大豆タンパク質の効果に関するメタアナリシス
ニューオリンズのトゥーレーン大学の研究者グループが実施した最近のメタアナリシスによると、大豆タンパク質の補給が、コレステロール血症に罹患しているか否かに関係なく、成人の血清脂質を減少させるという。このメタアナリシスは、成人の血清脂質レベルに対する大豆タンパク質補給の効果を調べることが目的であった。分離大豆タンパク質の補給のみを唯一の介入とし、介入中の血清脂質の正味の変化が報告されている、合計41件の無作為化された対照試験が確認された。著者らは、大豆タンパク質補給が平均血清総コレステロール値、LDLコレステロールおよびトリグリセリドの有意な低下、ならびにHDLの有意な増加に関連していることを認めた。メタアナリシスと回帰分析から、大豆タンパク質およびイソフラボンの補給と、血清脂質の純変化の間には用量反応関係が認められ、大豆タンパク質補給が、コレステロール血症の有無にかかわらず、成人の血清脂質を減少させていることが示された。著者らは、飽和脂肪酸や飽和トランス脂肪酸、コレステロールの高い食品を大豆タンパク質に置き換えると、冠状動脈のリスク要因に対して有益な結果をもたらす可能性がある、と結論付けている。
K Reynolds et al, American Journal of Cardiology Vol 98, Issue 5, September 2006 pp633-640
<http://www.elsevier.com/wps/find/jounaldescription.cws_home/525048/description
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■子宮筋腫に関するリグナンおよびイソフラボン排泄
この症例対照試験で、シアトルのフレッド・ハッチソンがん研究センターと、フィンランドのヘルシンキ大学の研究者らは、子宮筋腫のリスクと植物エストロゲン曝露の関連についての評価を行った。子宮筋腫の症例群170件と対照群173件から一晩の尿をそれぞれ2回(48時間間隔)採取し、イソフラボン(ダイゼイン、ゲニステイン、エクオール、O-デスメチルアンゴレンシン(O-DMA))およびリグナン(エンテロジオール、エンテロラクトン)の分析を行った。2回の採尿による尿中排泄量平均値と、子宮筋腫リスクの関連性を判定するにあたっては、ロジスティック回帰分析が用いられた。試験によると、症例群と対照群の間には、未補正のイソフラボン排泄量に関しては有意な違いは認められなかったが、リグナン排泄量では対照群に比べて症例群のほうが有意に少なかった。リグナン排泄量が四分位数増えるにつれて子宮筋腫のリスクが減少する傾向は有意であった。年齢、BMI、人種、子宮筋腫の家族歴、およびイソフラボン排泄量で補正を行ったところ、前述の傾向が依然として認められたが、それほど有意ではなかった。研究者グループはこの所見から、リグナンの排泄と子宮筋腫のリスクにはわずかながら逆相関が示唆されている、と結論付けている。この関係がリグナン自体の効果を表しているのか、または、リグナンを含む食品の他の成分の効果を表しているのかは、まだ明らかではない。イソフラボンの排泄と子宮筋腫には関連性は見られなかったが、この母集団の大豆食品の摂取量は少なかった。
C Atkinson et al, American Journal of Clinical Nutrition Vol 84, No 3 September 2006 pp587-593
<http://ajcn.org/cgi/content/abstract/84/3/587?etoc>
■1年間のイソフラボン補給と早期更年期性骨喪失
45~67歳の女性43人を対象に1年間にわたる試験を実施した台湾の研究者グループは、大豆イソフラボンの補給が早期閉経後骨喪失を予防し、用量依存性は見られなかった、と結論付けている。試験対象の女性は無作為に、対照群、イソフラボン100mg/日群、およびイソフラボン200mg/日群に割り付けられた。二重エネルギーX線吸収測定に加え、その他関連する生化学的マーカーについても測定が行われた。その結果、対照群の腰椎L1~3、L1~4および大腿骨頚で有意なBMD(骨無機質密度)の減少が示された。L1~3のBMDは100mg/日グループで有意に増加したが、200mg/日グループでは一貫した反応は認められなかった。
Huang et al, Journal of Nutritional Biochemistry, 2006; 17 (8) pp509-517
<http://www.elsevier.com/wps/find/jounaldescription.cws_home/525013/description
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■カーギル、ProSanté XCLを発売
肉と同じようなかみ心地をもつ、新しい組織状大豆タンパク質がカーギルから発売された。ProSanté XCLは新しく開発された組織状大豆タンパク質で、その組織は純粋な動物の肉質に近い。製品は色、サイズの異なる細切れの状態になっていて、外観、かみ心地、かみごたえは肉の代替品として最適で、材料から調理したものだけでなく缶詰やインスタントのスープやパスタ類、シチュー、中華風炒め物、春巻きなどその用途は幅広い。カーギルは既存のレシピや製造工程でも簡単に応用でき、ProSanté XCLの食感は食品メーカーにとって真の肉代替品になるはず、と自信を見せている。賞味期限が長く、他の肉代替品よりもコスト面でも競争力がある。参照:<http://www.cargilltexturizing.com>
■ソヤテックから新市場調査報告書2点
米国の調査/コンサルタント会社、ソイテックLLCは、大豆食品業界にとって興味深い市場報告書を新たに発表した。「大豆タンパク質の研究」と題した報告書は分離大豆タンパク質に焦点を当てたもので、その純度と機能性から、肉の増量剤、肉および乳製品の代用品、麺類、スープ、その他栄養食品やサプリメントなど、多種多様な食品の最適な原料となっている。報告書では、現在25億ドル規模の大豆タンパク質市場について概観し、現在と過去の売上げ実績、2010年までの市場予測、総生産量、世界の一人当たり消費量についても取り上げている。
もうひとつの報告書「米国の大豆食品市場2006」は、米国の大豆食品市場の驚異的な成功に的を絞ったもの。ここ数年の間に急成長を遂げ、2005年時点で40億ドル相当に達した市場は、ここにきて成熟の様相を見せ始めている。いくつかの上位カテゴリーにおける成長は止まったように見えるが、新興のサブカテゴリーが発展し始めており、それがカテゴリー全体のプラス成長維持に寄与するものと思われる。
参照:<http://www.soyatech.com/servicies/newreports.ldml>
E-mail:marketreports@soyatech.com
第7回国際大豆シンポジウム 「健康と疾病予防における大豆の役割」
第5回東南アジア大豆食品セミナーおよび見本市 「科学から市場へ、アジアにおけるビジネスチャンス」
2007年3月6~9日、シャングリラホテル―バンコク、タイ
アジアで初めてとなる国際大豆シンポジウムは、「健康と疾病予防における大豆の役割」をテーマにしたシンポジウムが2007年3月7~9日、タイのバンコクで開催されます。アジアの医療従事者、大豆研究者、教育者、マーケティング担当にとって、この会議は最新の研究成果に触れ、大豆の世界的権威や研究プログラム管理者と議論を交わすことのできるまたとないチャンスです。大豆が重要な役割を担っているアジアの栄養プログラムにスポットを当てた、ワークショップも設定されています。
シンポジウムにあわせて、「科学から市場へ、アジアにおけるビジネスチャンス」と銘打った東南アジア大豆食品セミナーおよび見本市も、2007年3月6~8日に開催されます。セミナーでは市場動向、製品開発、大豆の加工および利用に関する技術革新についての最新情報が披露されます。また、豊富な知識を備えた消費者に向けた大豆と大豆製品のマーケティング活動におけるさまざまな課題も取り上げます。見本市では専門プログラムが2つ用意されており、世界中の生産者やメーカーにとってはさまざまな大豆の品種や食材、大豆の新しい加工技術、画期的な大豆食品や大豆飲料を展示する絶好の場となります。
情報の交換や共有、知識の習得、ネットワーク作りに理想的です。最新の大豆に関する研究や市場情報を入手するためのこれ以上の方法は他にありません。風光明媚で快適な国、タイで開かれる大豆の国際イベントにふるってご参加ください。
共催: マヒドール大学栄養学研究所(INMU)
大豆食品フォーラム(SFF)
ASA国際マーケティング部(ASA IM)
詳しい情報およびシンポジウムのオンライン登録:
<http://www.soyconferencebangkok2007.com>
Eメール:secretariat@soyconferencebangkok2007.com
スポンサーに関するお問い合わせ:oymarkting@soyconferencebangkok2007.com
会議ソーイ&ヘルス 6
臨床的根拠と食品への応用
先月(2006年10月12~13日)、デュッセルドルフ(ドイツ)のSASラディソンホテルで開催された第4回大豆と健康に関する国際会議に225名を越える研究者、科学者、医療従事者、食品業界関係者が会した。この分野の第一線で活躍する専門家の20あまりのプレゼンテーションに、世界各地から集まった出席者たちは耳を傾けた。会議にあわせてポスター34枚が掲示され、大豆関連の新製品を紹介する展示会には多数の企業が出展した。
■循環器疾患リスクの軽減
Cesari Sirtori教授(ミラノ大学)は、血中コレステロールレベルにおける大豆の働きについて、エビデンスの検討を行った。その中で、もっとも有意なコレステロールの低下がもたらされたのは、コレステロールレベルがきわめて高い患者であった。現在調査中のメカニズムには、SRBP2制御因子を介してLDL受容体系を活性化する能力を有すると思われる7Sグロブリンなど、大豆タンパク質成分の機能が含まれている。この研究は、リスクの高い患者の管理においてコレステロール血症を低減するための、より精製された製品の開発につながる可能性がある。大豆の抗動脈硬化作用を理論的に証明するのに役立つ可能性のある他のメカニズムについては、Matti Tikkanen教授(ヘルシンキ大学)が概説した。その研究によると、大豆イソフラボンがLDLコレステロールの粒子に働きかけ、その耐酸化性が高まることが示唆されている。
Cyril Kendall氏(トロント、セントマイケル病院)から、「ポートフォリオダイエット」を実践した高脂血症者を対象とした1年間の研究をもとに、食餌療法の成功は本人のコンプライアンスと関係があることが示された。「ポートフォリオダイエット」を忠実に実践した被験者の約3分の1において、20%を上回る顕著で臨床的に有意義なLDLコレステロールの低下が達成された。Kurt Widhalm教授(ウィーン大学)からも、家族性高コレステロール血症および多遺伝子性高コレステロール血症の子供たちについても、大豆タンパク質を含む食餌療法がメリットをもたらす可能性があるとの報告があった。
コレステロール値の低下に大豆イソフラボンは効果がない、あるいはあっても僅かだ、という意見が多い中、Kenneth Setchell教授(シンシナティ子供病院メディカルセンター)は、そうではないことを示唆するデータを示した。イタリアのペルージア大学と共同で実施された研究は、高コレステロール血症初診患者の血清脂質の低下におけるその有効性を調べるため、原則的に大豆プロテインを含まない天然由来のイソフラボンを強化したパスタと、イソフラボンを含まないパスタを比較した。その結果、大豆タンパク質を含まないイソフラボン強化パスタは4週間で、血清総コレステロールを7.3%、LDLコレステロールを8.6%下げたことが明らかになった。イソフラボン強化パスタから従来のイソフラボンを含まないパスタに戻したところ、この効果は失われた。他のバイオマーカーでも、イソフラボン強化パスタの摂取による改善が認められた。さらに69%の患者が、イソフラボン強化パスタに反応してエクオールを産生し、観察が行われたさまざまな変化は、エクオール産生者にもっとも大きく現れた。これは、食品マトリックスと大豆イソフラボンの独特の相互作用が機能したものと思われる。
■認知機能
Helen Kim氏(アラバマ大学バーミンガム校、アメリカ)は、哺乳類の脳におけるブドウの種と大豆に含まれる食品ポリフェノールの役割の研究における、プロテオミクスの活用についての洞察を発表した。研究では、食品ポリフェノールには、将来的にアルツハイマー症の予防につながる可能性のある、酸化を抑制する働きがあることが確認されている。
閉経前および閉経後女性における大豆の認知機能における効果も関心の高い分野であるが、従前の研究では一貫性が見られなかった。Louise Dye氏(リーズ大学、イギリス)は、大豆イソフラボンが閉経前女性よりも閉経後女性に対して、認知機能を高める効果を発揮することを示唆するエビデンスを示した。血中エストロゲンの増加は閉経後女性のほうがはるかに顕著で、ホットフラッシュとは反比例の関係にあったが、これは大豆イソフラボンが血管壁の諸症状を緩和していることを示唆するものである。睡眠の質も改善される可能性がある。症状の緩和は介入第1週目から顕著であったが、その後8週間の治療期間中にそれ以上の改善は認められなかった。効果が長期的に持続可能かどうかは明らかでない。
Fred Brouns氏(マーストリヒト大学、カーギルR&D、ベルギー)は、老年性記憶障害(AAMI)の予防における食物フォスファチジルセリン(PS)の潜在的役割について概説した。大豆由来のPS(Leci-PS)はウシ由来のPS同様に有効であり、脳の活動を高めることが明らかにされている。2003年に承認された米国(FDA)の健康表示は、複数の痴呆(認知症)と認知機能に関するPSの介入研究に基づくものである。PSは脳細胞の細胞膜の機能をサポートすることで、脳全体で協調的な効果が得られるよう調整しながら、神経伝達物質の機能を高めているものと考えられる。身体的能力に関するPSの有益な役割に関する情報も発表された。
■発がん抑制
これまでの研究では、前立腺がんの発がん抑制で、大豆イソフラボンが予防機能を有する可能性が示唆されてきたが、最近の研究でHerman Adlercreutz教授(ヘルシンキ大学、フィンランド)は、240 mgのクローバーイソフラボンを毎日摂取している前立腺がん患者のグループとプラセボグループのPSA(前立腺特異抗原)の状態に違いは認められなかったと報告した。その理由は明らかではないが、組織学的評価から、イソフラボン投与グループでは前立腺がんのグリーソンスコア(前立腺がんの悪性度)が顕著に上昇したが、プラセボグループではそれが認められなかったことが明らかになった。したがってイソフラボン投与がスコアの低いがん細胞のアポトーシス(細胞消滅)を誘導したが、グリーソンスコアの高いがん細胞を検本中に残した可能性がある。これが、研究終了時の両グループのアポトーシスに違いが認められなかった説明になるかもしれない。
Ben O de Lumen教授(カリフォルニア大学バークレー校、米国)は、大豆、大麦、小麦に存在する特殊な43アミノ酸からなるペプチドで、がんを予防する性質があるルナシンに関する研究を報告した。動物実験から、ルナシンは脱アセチル化ヒストンに結合してそのアセチル化を阻害することで、悪性変換中の細胞を選択的に殺すことが示唆された。これが重要なのは、腫瘍抑制遺伝子がヒストンのアセチル化と脱アセチル化により機能するためである。ルナシンと、Bowman-Birkインヒビターのようなプロテアーゼ阻害剤は、発がん抑制において補完的役割を担っていると考えられる。
(非食餌投与による)Bowman-Birkインヒビターの発がん抑制機能と抗炎症性が、1992年以降人体実験でBowman-Birkインヒビター濃縮物(BBIC)についての臨床実験を続けているAnn Kennedy氏(ペンシルベニア大学医学部、フィラデルフィア)から報告された。口腔白板症、良性前立腺過形成、前立腺がん、食道炎、潰瘍性大腸炎、歯肉炎をそれぞれ患っている患者を被験者として、BBICに関連する臨床試験はこれまで6例ある。口腔白板症患者での試験は完了段階にあり、BBICが用量依存的に口腔白板症の病巣を縮小したことが明らかになった。前立腺がん患者での調査においては、BBICの前立腺がんに対する有効性の証明となりうる、PSAレベルに対する顕著な影響を示している。BBICが筋肉の温存効果を有することも明らかになっており、今後の調査対象には多発性硬化症と筋ジストロフィーが含まれる。BBICのメカニズムは今のところまだ明らかになっていないが、タンパク質分解活性を阻害するとともに、現時点では未確認で名称のないタンパク質分解カスケードを抑制して、重篤な炎症と発がん性プロテアーゼ(キマーゼを含む)を抑制するものと考えられる。
■骨の健康とホットフラッシュ
John Anderson教授(ノースカロライナ大学、米国)は、骨の健康に大豆が関わっているというエビデンスを要約し、50~80mgの大豆イソフラボンが骨組織に対して適度のプラス効果を発揮していることがほとんどの研究で示唆されているものの不明な点がまだ多数残っている、と指摘した。香港の女性を対象にした最近の研究は、BMI肥満指数が低くカルシウムの摂取量が少ない、年齢が高い女性ほどメリットが大きく、調査対象となる女性の選択が重要であることを示している。大豆イソフラボンと骨の健康の関係を明確に立証するためには、さまざまな年齢層の多数の閉経後女性の被験者と、複数用量による長期のプロスペクティブな研究が必要である。
更年期のホットフラッシュにおける大豆イソフラボンの潜在的な役割が始めて示唆されたのは1992年のことである。Mark Messina教授(ロマ・リンダ大学、米国)は、閉経期もしくは閉経後女性のホットフラッシュに対する大豆食品または大豆イソフラボンの効果を評価した臨床試験のうち、少なくとも42件を、エビデンスの検証の中で取り上げている。これら調査結果に一貫性は見られないものの、大豆イソフラボンのある程度の効果が示唆されている。不一致については、いくつかの解釈がある:
- 大豆食品および大豆イソフラボンは、ホットフラッシュが頻回(1日に5回以上)な女性にのみ有効である。
- 摂取する大豆イソフラボンの種類と量が重要である。
- イソフラボンの代謝には個人差がある。
- メリットは、ダイゼインからエクオールを合成できる腸内バクテリアを有する女性でもっとも大きい。
今後の研究では、こうした課題に取り組まねばならない。
■その他の論題
本会議中に設けられた多くの分科会で、次のような発表が行われた:
「欧米の食生活で見直されるべき大豆食品の大きな役割」 ― Mark Messina教授(ロマ・リンダ大学、米国)
「ヨーロッパにおける大豆の健康表示」 ― Janice Harland氏(ハーランドホール、イギリス)
「大豆タンパク質とヨーロッパ市場の見方」 ― Jo Goossens氏(Giract社、スイス)
「Soy & Healthが推奨する健康増進に役立つ大豆成分と製品の導入における業界の役割」 ― Henk Jan Buurman氏(カーギル)
「大豆の発がん抑制効果を立証するための閉経後女性の遺伝学的研究」 ― Uwe Rohr博士(Med19メディカルセンター、ウィーン)
さらに、Dirk Haller教授(ミュンヘン工科大学、ドイツ)からは、慢性腸炎症の予防と治療の機能を有する可能性のある、食品ポリフェノールの複合体分野(ケルセチンなど)における研究の概説があった。さらに、Stephen Barnes教授(アラバマ大学バーミンガム校、米国)が、加齢下の水晶体機能の保護におけるイソフラボンの潜在的役割について、推論的ではあるが、興味深いプレゼンテーションを行った。
この会議の講演集録は2007年春に発行される予定です。予約購読ができます。一部39ユーロ(付加価値税6%、送料込み)。オンライン注文で、お支払いはPayPalシステムをご利用ください:<http://www.soyconference.com>
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2006年12月6日 肥満対策-健康的食生活戦略
Combating Obesity - A Healthy Eating Strategy for Europe, Brussels, Belgium.
Contact: katie.baron@informa.com or visit: <http://www.agra-net.com/obesity06>
2007年2月2日 健康生活エキスポ
Healthy Life Expo, Minneapolis, USA. Visit: <http://www.mediamaxevents.com>
2007年3月6-8日 第5回東南アジア大豆食品セミナー・トレードショー
5th Southeast Asia Soyfood Seminar & Trade Show, Shangri-la Hotel, Bangkok, Thailand,
Contact:soymarketing@soyconferencebangkok2007.com, <http://www.soyconferencebangkok2007.com>
2007円3月7-9日 第7回国際大豆シンポジウムー大豆の健康及び病気予防の役割
7th International Soy Symposium - Role of Soy in Health and Disease Prevention, Shangri-la Hotel, Bangkok, Thailand.
Contact: soyhealth@soyconferencebangkok2007.com, <http://www.soyconferencebangkok2007.com>
2007年3月8-11日 自然食品エキスポ
Natural Products Expo West, Anaheim Convention Center, Anaheim, California.
Contact: New Hope on +1 866 458 4935,
e-mail: tradeshows@newhope.com, <http://www.expowest.com>
2007年3月13-14日 脂質・脳・栄養会議
Lipids, Brain and Nutrition, Paris, France.
Contact: bernadette.delplanque@ibaic.u-psud.fr or visit: <http://www.afecg.org>
2007年3月18-23日 スナック・フーズ加工の実用短期コース
Practical Short Course on Snack Food Processing, Extruded Snacks and Tortilla Chips, Texas A&M University, Texas, USA.
Contact: Chris Mack on + 1 979 845 2794, e-mail: chrismack@tamu.edu <http://foodprotein.tamu.edu/fatsoils/index.html>
2007年3月20-21日食用油脂―原料、加工、利用の傾向
Edible Oils & Fats - Trends in Raw Materials, Processing and Applications, Cairo, Egypt.
Visit: <http://www.soci.org/SCI/events/details.jsp?eventID=EV952>
2007年4月15-16日 ヨーロッパ自然食品・オーガニック製品
Natural Products Europe/Organic Products Europe, Olympia, London, England.
Contact: Chris Down, Diversified Business
Communications at cdown@divcom.co.uk, <http://www.naturalproducts.co.uk>
2007年5月8-10日 2007年ビタフーズ活力・健康食品の国際会議
Vitafoods 2007, International Foods for Vitality and Health Conference and Exhibition, Palexpo, Geneva, Switzerland.
Visit: <http://www.vitafoods.eu.com>
2007年5月9-11日 ILSIヨーロッパ国際シンポジウム:ヨーロッパの機能食品―科学・健康の国際開発
ILSI Europe International Symposium: Functional Foods in Europe - International Developments in Science and Health Claims, Malta.
Contact: Carina Madsen on +32 2 771 00 14, e-mail: functional.sympo2007@ilsieurope.be,
<http://europe.ilsi.org/events/upcoming/>
2007年5月13-16日 第98回AOCS総会
98th AOCS General Convention in Québec City, Canada.
Visit: <http://www.aocs.org/meetings/annual_mtg/> |