瀬良英介の一般業界向け
飼料・畜産トピックス
2005年1月 (104)
トリチケイリーのボゴ種はブロイラーや産卵鶏飼料に使える
ライ麦と小麦の中間にあたるトリチケイリー(Triticale)という穀物はヨーロッパや米国の一部地域では作られていますし、それに関しては報告が多いので日本でも以前から知られています。今回、オレゴン州立大学の研究者(J.C. Hermes and R.C. Johnson)が、ローカルで作られているポーランドから輸入された比較的に新しいトリチケイリーの品種、ボゴ種(Triticale variety, Bogo)を使ってブロイラーや産卵鶏に給与試験を行いました。
詳細を省きますが、結論のいくつかは次のようなものです。ブロイラー飼料にボゴ種を15%レベルまで使っても成績が下がらないし、また、産卵鶏には30%レベルまで使っても特に成績に影響は無かったということです。ただ、30%レベルでボゴ種を28日間給与した産卵鶏の卵黄の色が薄くなったことが報告されています。研究者は、30%レベルでボゴ種を長期間に渡って給与した場合、消費者が拒否するレベルまで卵黄の色が薄くなるかどうかの更なる試験をする必要があることも指摘しています。
この試験で使われているボゴ種の原物中分析値は、水分が11.4%、乾物が88.6%、粗蛋白質が11.2%、NDFが14.2%、ADFが3.3%、エーテル抽出物が1.5%、灰分が1.7%、リジンが0.354%、メチオニンが0.143%などです。
因みに、ブロイラー試験でトリチケイリーのボゴ種を最高15%レベルで混ぜたCP21%の飼料には脱皮大豆ミール(CP47%)が25.6%使われ、産卵鶏試験では、ボゴ種を30%レベルで混ぜたCP15%の飼料には脱皮大豆ミールを4.92%使っています。
報告には表6点を含めたディスカッションや結果が入っています。詳細に興味のある方は、米国家禽学会が出している家禽アプライド・リサーチ(2004 J.Appl.Poult.Res.13:667-672)を参照なさることをお勧めします。米国家禽学会誌は、ややもすると難解な基礎研究報告も多く掲載されていますが、家禽アプライド・リサーチは応用面から捉えた発表が多いのが特徴の学会誌です。会員登録や年間購読料は、米国家禽学会のサイトから得られます。
余談ですが個人的注釈を加えるならば、前述の産卵鶏飼料に使っている脱皮大豆ミールの使用レベルは、通常の同等の栄養レベルの試験飼料に比べ、かなり低いです。その理由は、家禽(屠鳥処理)副産物ミールが、日本では考えられない8.84%という高いレベルで使われていることに起因します。日本では、パナマックス船を使い原料を輸出港で積み込み、輸入港で積み下ろしをして調達しますので、基本的には流通コストと調達量、及び、主要栄養単位当たりの経済性や嗜好性の関係で、とうもろこしと大豆が中心になります。主に米国南西部で作られているる穀類のマイロ(ソルガム・グレイン)の輸入量が、とうもろこしのそれよりもはるかに低いという現実がありますが、これなども同じような理由によるものと云ってよいでしょう(瀬良、2005)。